1月31日
トラックダウン最終日。
そして終了。「ばんさーい!」。
ゼロンはみんなと打ち上げへ。乾杯ー!
「うりきち」、、はいよ。
「できたぞ」、、おめでとうございます。
「ありがとうございます」、、よかったよかった。
「ほんとに」、、よかったです。
「だな」、、だす。
「ところでうりきち」、、はいよ。
「明日から2月なんだな」、、2月です。
「2月もがんばるぜい!」、、おう!
1月30日
トラックダウン三日目。
広兼の頑張りは止まらない。(広兼=ランボールギーニ・ムルシエラゴのエンジニア)そして終了後のゼロンの打ち上げも止まらない。
ある店での会話。
ゼ「、、、」
鶴「、、、」
ゼ「、、、」
鶴「、、、」
(お疲れさまの乾杯のあと、一言も口をきかないふたり)
マスター「なんかあったんですか?、ケンカでもしたの?」
ゼ「顔見るの飽きたし」
マ「あはは」
鶴「話もないですし」
マ「あはは」
と、そのあと、またず〜っと飲み続けるゼロンであった。なんでそんなに飲むかなあ。
「一日の締めですから」、、長い締めですね。
「まあそういうな」、、それにしてもです。
「気をつけます」、、お願いします。
1月29日
トラックダウン二日目。
今日も順調に進んだのだった。
それにしてもゼロンは飲み過ぎではなかろうか。
「そういうな」、、それにしてもです。
「なんか体温あがったままなもんで」、、そうですか。
「そうです」、、ほな明日もがんばって。
「はいよ」、、はいよ。
1月28日
ゼロンは今日からトラックダウン。
「それはいいんだけどさ」、、はい。
「今日の帰り」、、はい。
「ものすごい電車混んでてさ」、、あらら。
「俺の後ろにおっさんがぴったりひっついてて」、、混んでるからしょうがないです。
「そうなんだけど、なんちゅうか」、、なんちゅうか?
「おっさんのアレが俺のケツに当たってるんだよ」、、え?
「びた〜っと当たってんだよ」、、、、。
「吐きそうになった」、、そ、そうでしょうね。
「いやじゃ〜」、、お疲れさまでした。
1月27日
ゼロンは今日も楽器屋へ。そうです、昨日見ていた二百万円のギターを買いに来たのでした。と、そんなわきゃあなく、今日もギターの修理、というか、調整に来たのでした。その楽器屋の人は親切です。その店で買ったギターでもないのに、親切に丁寧にやってくれるのでした。そしてたったの三千円。なんだか申し訳ない気がしたゼロンでした。だから二百万円のギターを買ってあげたのでした。と、そんなわきゃあなく、お礼を言って店を出たのでした。
「ほんと親切なんだよ」、、うんうん。
「うれしいな」、、うれしいね。
1月26日
ゼロンは楽器屋へ。その店には「すげえな〜」なギターがずらり。そんなギターを見ながら、ある会話を思い出していた。それはレコーディングの時の会話だった。その日、池畑選手は手作りのスティックを持ってきていた。いろんな材質のスティックがあったのだが、ハカランダでみんな遊んだのだった。(ハカランダ=ビンテージ・ギターや、 高級ギターの材料として使われていますです。高いですです)。
「まあ俺んち、箸はハカランダだし」とか、「俺んとこなんて、お椀も風呂おけも全部ハカランダよ」とか、「そのはかなんとかは旨いのか?」とかとか。そんなことを思い出しながら、百万だとか二百万だとかするギターを見ていた。と、店の人から声がかかった。(ゼロンはギターの修理に来ていたのでした)
店員「一週間くらいかかりますけど、たぶん一万ちょっとでできると思います」。
ゼ「そうですか、よろしくお願いします」
と、百万とか二百万とかするギターを見ていた男は店を出たのだった。なんか、ちいちゃい。
1月25日
デジタルカメラになってから、俺の写真をほとんどプリントしてなかった父ちゃんは、ガタガタジージーとプリント。そして「ありゃりゃ、なんじゃその顔は」とか、「まんまるじゃん」とか、「あは、あはは」とかとか。
「うり之助」、、はい父上。
「うり之助はほんと、おもしろい顔だな」、、失礼な。
ガタガタジージー、ガタガタジージー、ガタガタジージー。
1月24日
「うりきち」、、はいよ。
「おかげで今日はいい天気だったぞ」、、でしょう。
「ありがとう」、、どういたしまして。
「おかげでぐっすり眠れた」、、え?、寝てた?、え?、労働は?
「睡眠も立派な労働のひとつです」、、え?
「今日は眠りなさいと、声がしたのです」、、ど、どこからですか。
「この、胸の内あたりから、かな」、、はい?
「心の叫びっていうの?」、、知らんちゃ。
「おかげでしゃっきりスッキリよん」、、そ、そうですか。
「よし!」、、え?、どっか行くんですか?
「ちょっとタイタンに」、、え?、タイタンてあの、土星の衛星のタイタンですか?
「そやね」、、そ、そらあ大変だ。
「そう?」、、じゃ、じゃあ気をつけて行って下さい。
「うむ」、、(やっぱ故障しちょる)。
「ん?、なんか言うた?」、、なにも言うてないです。
「あっそ」、、はい。
「ところでうりきち君」、、はい。
「まだあれかな?、そのあの」、、夏目さんには会ってません!
1月23日
「うりきち」、、はいよ。
「今日は寒かったぞ」、、風邪ひかんようにしましょう。
「だな」、、だす。
「それにしても」、、はい。
「なんだかボワ〜ンとした一日だった」、、ボワ〜ンとした一日って、どんなんですか。
「まああれだな、キレもなくコクもなくって感ずだな」、、あらら。
「なんだかなあ」、、でもまあ日曜だし、天気も悪かったし。
「だよな」、、それに、全体的にそんな暮らしぶりやし。
「そうかあ?」、、たぶん。
「明日は晴れたらええなあ」、、ソーラーパワー。
「それ」、、じゃあ俺からも言うちょきますか?
「お願いします」、、はいよ。
1月22日
昨日、「もう酒もタバコもやめるかな」と言った人がいたような気がするが、やっぱ気のせいだったようだ。グラングランしながら帰ってきた人がいたような気がする。
「気のせいでしょう」、、そうですよね。
「そうです」、、、、。
「たとえ飲んだとしても」、、はい。
「そんなになるまで飲みゃあしません」、、そうですよね。
「たとえそう見えたとしても」、、え?
「気のせいです」、、はいはい。
「本人は全然普通のつもりですから」、、、、。
「そっとしといてあげてね」、、、、。
「たのんます」、、はいはい。
そしてその人は、カバのように寝たのだった。
「あのね」、、はい。
「カバっちゅうことはないんじゃないの?」、、子犬には見えませんでしたけど。
「カバをバカにしてるわけじゃないけどね」、、はい。
「子犬のように愛らしくもないだろうけどね」、、はい。
「せめてさ」、、はい。
「そうだなあ」、、、、。
「子牛くらいにしてもらえる?」、、子カバは?
「まあそんな感じで」、、はい。
「よろすくね」、、はいおやすみ。
1月21日
「うりきち」、、はいよ。
「下痢です」、、拾い食いでもしたですか。
「ばか」、、じゃあ飲み過ぎに食べ過ぎだ。
「そうかもね」、、はい。
「今日は飲むのやめよう」、、ほんとかな?
「ほんとです」、、偉い。
「もう酒もタバコもやめるかな」、、うそお?
1月20日
ゼロンはスタジオへ。今日は電車を間違える事もなく無事到着。昨日休肝日にしたため、体調もいいような気がするゼロンであった。何回でもバク転を続けられそうな気がするゼロンであった。一息で10曲くらい唄える気がするゼロンであった。
「それは無理」、、そらそうですね。
「今回はアコースティックだから、バク転もしません」、、はいはい。
「でもなかなかおもしろいぞ」、、ふむふむ。
「そして楽しい酒だった」、、よかったです。
「で、もう一杯と次に行ったのだが、さすがにもう飲めなかった」、、体は正直ですから。
「最近思うのだが」、、はい。
「酒、弱くなった気がする」、、お年お年。
「年取って、いい事ってひとつもないのだろうか」、、うーむ、白髪が増えるとか。
「、、、」、、あちこちガタがくるとか。
「おい」、、はい。
「いい事だってばよ」、、うーむ。
「ないのかぁ」、、あった。
「え?、なになになに?」、、それはね。
「はい」、、深い愛を知るのです。
「なんじゃそれ」、、ガキには分からんかなあ。
「俺、ガキ?」、、ガキおやじ。
「やな響きだなあ」、、ガキおやじ。
1月19日
今日のゼロンはスタジオへ。が、家を出る直前まで違うスタジオに行こうとしていた。もともとボケ〜っとしたところはあるのだが、ここんとこ特にひどい。「危ない危ない」と家を出たゼロン。駅に着いたらちょうど電車が止まっていた。「やった」と、飛び乗るゼロン。一息ついてると、「?」な感ず。電車がなかなか止まらないような気が、、イヤな予感、、予感的中、、特別快速だかなんだかに乗ったらしい、、降りる駅もゴ〜ッと通過、、これとは違うこれに似た思いをした記憶がひらひらと、、はぁ、、。
「うりきち」、、はいよ。
「でも今日唄ってるときは」、、はい。
「うりきちのことを忘れてたぞ」、、そうでなくちゃ。
「でもないか」、、シャキッとしなはれ。
「してるつもりだぞ」、、そうですか。
「でもな」、、はい。
「帰ったらうりきちが「にゃにゃにゃ」言いながら、いつものように玄関に来てくれる気がして」、、、、。
「ブラシを持ったらうりきちが「ゴロゴロ」言いながら、いつものようにひざに乗ってきてくれる気がして」、、あ〜あ。
「横になったらうりきちが腹の上にぴょんと、いつものように乗ってきてくれる気がして」、、なんだかなあ。
「トイレから出たらドアの前でうりきちが、いつものように首をちょっとかしげて待っていてくれるような気がして」、、シャキッとせい!
「、、、」、、あ、そうだ。
「なんだよ」、、父ちゃん、俺を気にして、タバコは換気扇の下で吸ってたですよね。
「はい」、、今も換気扇の下で吸ってますよね。
「いけないのかよ」、、別にいいけど、なんちゅうか。
「換気扇の下で吸いたいんだよ」、、はいはい。
「、、、」、、あ。
「え?」、、クワインさんだ。
「え?、元気そうか?」、、うん、奥さんと手をつないで散歩しちょる。
「そうか、いいなあ」、、いい。
1月18日
「うりきち」、、はいよ。
「今日も渋谷だったぞい」、、そうですか。
「監督もいろいろあるのに笑って飲んでたぞ」、、さすが。
「あと説教強盗と言われてる男にも会ったぞ」、、なんですかそれ。
「いやあ、飲んだ飲んだ」、、飲み過ぎだ。
「だな」、、気をつけましょう。
「はい」、、はい。
「、、、」、、、、。
「ところでうりきち君」、、はい。
「あの、その」、、、、。
「昨日頼んだことなんだけど」、、まだ言うか!
1月17日
「うりきち」、、、、。
「おーい」、、はいはい。
「そっちには慣れたか?」、、まだ来たばっかりだから。で、父ちゃんは慣れたかん?
「まああれだ、なんちゅうか、、全然ダメだ」、、ダメじゃん。
「ダメなのだ」、、ダメじゃん。
「あ、そうだ」、、はい。
「うりきちにいっぱいメールがきたぞ」、、うれしいっす。
「うりきちは幸せだな」、、はい。
「、、、」、、あ。
「え?」、、オードリー・ヘプバーンだ。
「え?、うそお?、やっぱかわいいか?」、、すごいかわいくて綺麗です。
「サブリナパンツはいてる?」、、さぶちゃんがパン食った?
「、、、」、、、、。
「こげきちには会えたか?」、、あっちで毛繕いしちょる。
「いのにゃんもいたか?」、、なんか知らんけど走り回りよる。
「そうだ」、、え?
「じいちゃんには気をつけろよ」、、なして?
「猫に池の鯉を食べられてから、猫を見ると「許しゃあせんぞ」になったから」、、食べたのは俺じゃないのにですか。
「全体責任らしい」、、ひぇ〜。
「あ、そうだ」、、え?
「ひとつ頼みがあるんだけど」、、なんすか?
「あのね」、、はい。
「夏目のね」、、はい?
「雅子さんがね」、、え?
「おったらね」、、え?、なに?
「夏目雅子さんに会ったらですね」、、、、。
「好きですと、伝えてもらえないだろうか」、、知らん。
1月16日
1月15日
1月14日
1月13日
夜中、父ちゃんは外に出ました。星にお願いしに行ったのでした。夜空には、ここはほんとに東京ですかい?と思うほど、星がいっぱいでした。父ちゃんは手を合わせてお願いしました。でも「うりきちを治して下さい」とお願いしたんじゃないです。俺が苦しんでたから「もううりきちを迎えに来て下さい」とお願いしたのでした。手を合わせ、声に出てしまうほど泣きまくったのでした。深夜です、近所の方はさぞかし怖かったと思います。すいません、ご迷惑おかけしました。
俺の戦いは続きました。天国に行く手続きはなかなか大変なのです。父ちゃんとあきおはずっと俺のそばで、俺を撫でたり名前を呼んだり、泣いたり泣いたりしていました。「猫はこんな時、ひとりになりたいんじゃないのけ?」と言われそうですが、俺はふたりがそばを離れると「ここにいてけろ」と呼んだのです。俺はクールでもあるけど、甘えん坊でもあるのです。いけん?いけんですか?
そして夜が明け、きれいな青空と光の中、俺は天国に旅立ったのでした。
1月12日
「うりきち」、、はいよ。
「歩けなくなったな」、、こたつにも上がれなくなった。
「、、、」、、泣くな。
「俺がどこにだって連れて行ってやる」、、ここがいい。
「、、、」、、泣くな。
「なにか欲しいものあるか?」、、ないよ。
「俺はそばにいない方がいいか?」、、いていいよ。
「それにしてもうりきちはハンサム君だな」、、知っちょるよ。
「ずっと一緒だったな」、、父ちゃんがわりと暇だから。
「暇でよかったよ」、、12年も?
「12年かぁ」、、12年。
「、、、」、、泣くな。
「うりきち、ぎゅっとしていいか?」、、いいよ。
「、、、」、、泣くな。
1月11日
「うりきち」、、はいよ。
「どのくらい前だったかなあ、俺、プラモデルをちょこっとやってたことがあるよな」、、忘れた。
「ほら、バイクとか車とかさ」、、忘れた。
「うりきちはパーツを手でちょいちょいやって、何回も何回もちょいちょいやって、「こらっ」て言うてもちょいちょいやって、ジャマしてたじゃないかよ」、、記憶にございません。
「あっそ」、、そ。
「こうやってお前がこたつの上にいるとさ」、、はい。
「今ここでプラモデル作ってたら、ちょいちょいやるかなあって思ったもんだから」、、今はもうできない。
「、、、」、、泣くな。
「うりきち」、、ん?
「うりきち?」、、なん?
「痛いのか?」、、へのかっぱ。
「ほんと、お前はかっこいいぞ」、、俺、うりきちじゃけの。
1月10日
「うりきち」、、はい。
「今日は成人の日なんだな」、、はい。
「いつから第二月曜日が成人の日になったんだっけ?」、、さあ、何年か前からじゃないすか?
「成人の日かあ」、、20歳。
「、、、」、、遠くを見ない。
「見ちゃあいないが、俺にも20歳の時がほんとにあったんだろうかと、思ったりしたりして」、、そらああったでしょう、いきなりオヤジになったわけじゃないだろうし。
「20歳かあ」、、遠くを見ない。
「何を考えて生きてたんだろうなあ」、、俺に言われても。
「今会えたらな」、、え?
「ひとつふたつ、教えてあげれるんだけどな」、、もしその歳の自分に会えたって、20歳のゼロンは聞きゃあしないでしょう。
「そうでもないと思うぞ」、、そうかなあ。
「でもないか」、、なんでもいいけど、成人式は出たんですか?
「店のお客さんがやたらきれいな着物やス−ツ着た人が多いから聞いたら成人式だった」、、あらら。
「20歳かあ、、」、、遠くを見ない。
1月9日
「うりきち」、、はいよ。
「なんか今日は眠いぞ」、、寝たらいいと思います。
「そうやね」、、そうです。
「でもすぐ目が覚めるんだよな」、、長い時間眠る体力がなくなってきてるのでは?
「あんまりオヤジ扱いしないで下さい」、、はいはい。
「まだまだこれからの人なんですから」、、そ、そうですか。
「もちろんです」、、そ、それは楽しみです。
「俺も」、、え?
1月8日
「ただいま」、、おかえり。
「ちょっと飲み過ぎたかすら」、、中締めですから。
「そうなんだよ」、、おめでとうございます。
「ありがとうございます」、、よかったよかった。
「そうだ」、、はい。
「今日スタジオに行く途中」、、はい。
「駅のホームで」、、はい。
「おにぎりを食べてる人がいた」、、べつにいいじゃないですか。
「もちろんいいですよ」、、はい。
「ただ、あんなに一生懸命おにぎりを食べてる人は初めて見た」、、そらあそのあんちゃん、よっぽど腹が減ってたんじゃないすか?
「ばか、男がむすび食ってたって話をわざわざするか」、、え?
「男が駅のホームでむすびだろうがラーメンだろうが、それこそバーベキューやってたって興味もなんもございません」、、はいはい。
「かわいこちゃんだから覚えているし、話しているのです」、、はいはいそうですね。
「そうですとも」、、はいはい。
「でもほんと、一生懸命食べてたなあ」、、ふ〜ん。
「さてと」、、寝ますか。
「おやすみ」、、おやすみ。
1月7日
「ただいま」、、おかえり。
「ちょっと飲み過ぎたかすら」、、そのようで。レコーディングはどうでしたか?
「よかったぞい」、、そりゃよかったぞい。
「楽しいな」、、うれしいな。
1月6日
「うりきち」、、はいよ。
「うりきちの顔は飽きないなあ」、、それはどういう意味でしょうか?
「男前でちょっとぶさいくで、可愛くてちょっとお間抜けで」、、それは褒められてるんでしょうか?
「もちろん」、、ならいいや。
「帽子も似合うよなあ」、、そうですか。
「そんな素敵なうりきち君に一つ頼みがあるんだけど」、、なんでしょ。
「ギターの弦張り替えて」、、いやじゃ。
1月5日
「うりきち」、、はい。
「ごんぞう、ずっと鳴いてるな」、、鳴いちょる。(ごんぞう=父ちゃんが勝手にそう呼んでる隣の犬)
「誰もいないのだろうか」、、さあどうじゃろか。
「切ない声だなあ」、、切ない〜。
「うりきちはごんぞうの顔見たことあったっけ?」、、たぶん、ない。
「ぶさいくなんだけど、かわいいんだな」、、森三中みたいな?
「こら、あ、でも俺、森三中のまるっとしたちっちゃい方、ちょっとかわいいなと思ったりする」、、そ、そうですか。
「料理が上手だった」、、作ってもらったんですか?
「ばか、テレビで見たんです」、、そうですか。
「で、ごんぞうだけど」、、父ちゃん。
「ん?」、、ごんぞう、ほんとはチャッピーって名前かもよ。
「ちゃっぴぃ?」、、キャンディーかもしらんし。
「まあそうだよな」、、ごんぞうなんて勝手に名前つけちゃって。
「でも「ごんぞう」って声かけると、「なに?」って俺を見るぞ」、、それはあれです、俺だってうりきちじゃなくて「うり乃助」でも「まるきち」でも「こりゃ」でも、呼ばれたら父ちゃんの顔見るし。
「それはうそだな」、、え?
「耳をこっちに向けるだけじゃん」、、そ、そう?
「まったく」、、それはあれです、用事もないのにしょっちゅう呼ぶからです。
いつだったか父ちゃんは、一日に何回「うりきち」と俺に声をかけてるか数えようとしたことがあった。が、すぐに数え切れなくなってやめた。
「それは違うな」、、え?
「数えてたら、数えるために呼んでる気がしてきたからやめたんです」、、そうですか。
「うりきちへの愛と誠はだね、そんなんじゃあなくてだねぜいぜい」、、俺寝ますから、父ちゃんもはよ寝た方がええよ〜。
「うりぎぢ〜」、、うるさい。
1月4日
夕方、背中にゾクゾク寒気を感じたゼロンはホカロンをぺたっ。
「これでよし」、、まだ効かないでしょう。
「これでよし」、、そ、そうですか。
「ここで風邪をひくわけにはいかないのだ」、、はい。
「ギターは弾くけどね、ぬぁんちゃって」、、、、。
「、、、」、、、、。
「ところで」、、はい。
「鼻のない子象のバハティ」、、はい。
「かわいいな」、、はい。
「がんばってるな」、、はい。
「毎回、見てるだけでもう、胸がギュッとなってしまう」、、はい。
「俺、昔象だったのかなあ」、、それはない。
(バハティ=スワヒリ語で「幸運」を意味する名前で呼ばれてる鼻のない子象。何年か前から「鼻をなくした子象物語」というタイトルで、その成長記録が何回か放送されています。それが今日また放送されたのでした)
1月3日
「うりきち」、、はいよ。
「なんだか俺、テレビばっか見てるぞ」、、そのようで。
「そして食っちゃ寝だ」、、そのようで。
「でもまあ正月だし」、、正月も三が日です。
「つうと?」、、今日まで。
「そうか」、、はい。
「つうことは」、、、、。
「明日からまた厳しい修行か」、、はい?
「師匠!」、、お、俺?
「今年もよろしくお願いします!」、、やだなあ。
「脇目もふらず頑張りたいと思います!」、、そ、そうか。
「はい!」、、よし。
「ところで」、、うむ。
「和希沙也ってかわいいね」、、ばかもの〜!
1月2日
昨日のゼロンとゼロンのお袋ちゃんの会話。
ゼ「あけましておめでとうございます」
母「おめでとうございます」
ゼ「元気ですか?」
母「親孝行の子供たちがみんな帰ってきてくれていますから、大変にぎやかでございます」
ゼ「そ、それはそれはあれですね、、すいません」
母「ところでね」
ゼ「はい」
母「お母さんね」
ゼ「うん」
母「やっぱやめちょこ」
ゼ「なん?」
母「あのね」
ゼ「はい」
母「最近ヨン様がちょっとね」
ゼ「はい?」
母「お気に入り」
ゼ「そ、そうですか」
母「最初はテレビで「わ〜わ〜」騒いじょるおばさん達見て、都会のおばさんは何を考えちょるんかと思いよったんやけどね」
ゼ「あはは」
母「この前初めてドラマを見てね」
ゼ「はい」
母「よかったほ」
ゼ「そ、そうですか」
母「いやされるほ」
ゼ「そ、そりゃよかったですね」
母「はい」
「うりきち」、、はい。
「ヨン様だそうです」、、ヨン様カレンダーとか送ったらどうでしょうか?
「そ、そうかあ?」、、たぶん。
「その場合、チェ・ジウも一緒の方がいいんだろうか?」、、さあ、どうでしょうか。
「うーむ」、、うーむ。
1月1日
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
「うりきち、あけましておめでとう」、、どうも。
「そうじゃなくて」、、おめでとうございます。
「いい天気だな〜」、、そうやね〜。
「気持ちいいな〜」、、そうやね〜。
2005年の俺(うりきち)と父ちゃんの誓い!
今年の俺の誓い
一、元気でいる。
一、いっぱい食べる。
一、いっぱい遊ぶ。
一、父ちゃんのケツをたたく。
今年の父ちゃんの誓い。
一、元気でいる。
一、やる。
2004年12月
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